欧州宇宙機関が「二酸化窒素マップ」を公開
世界中の大気汚染状況をビジュアライズ

▲Copyright: contains modified Copernicus data (2018), processed by KNMI

地球規模の環境衛生問題である大気汚染は、毎年何百万もの人々が若くして死亡する原因となっている。こうしたことから、欧州宇宙機関は人工衛星「Copernicus Sentinel-5P」を2017年10月に打ち上げ、世界中の大気汚染物質をマッピングしている。

搭載した最先端のセンサー「Tropomi」で大気ガスの流れを検出し、大気汚染物質をこれまで以上に正確かつ高度な空間分解能でイメージングすることにより、作成したマップでは世界中の都市の大気中の二酸化窒素放出量がわかるのだ。

▲Copyright: contains modified Copernicus data (2018), processed by KNMI

これまで、二酸化硫黄や一酸化炭素に関する重要な情報はすでに公開されてきた。そして今回は、2018年4月から9月にかけて収集した測定値を平均化して、二酸化窒素が大気を汚染している場所を正確に示すことができた。

▲Copyright: contains modified Copernicus data (2018), processed by KNMI

二酸化窒素汚染は、自動車の排気ガスや工業プロセスにおける化石燃料の燃焼から生じるとされている。そして、肺を刺激して健康上の重大な問題を引き起こす可能性があり、呼吸器系への影響が懸念されている。

このマップからは大都市だけでなく中規模の町からの排出量もわかるそうで、上記の画像からはたしかに欧米やアジアのみならず、中東やアフリカでも二酸化窒素濃度が濃い地域が示されているのがわかる。今後は、汚染物質排出の原因をこれまで以上に細やかに特定することが期待されている。End