カナダの小さな山小屋「La Pointe」
1950年代のAフレームを再解釈する三角形の建築

カナダの首都オタワの北方にあるレジオナル・デュ・ポワッソン・ブラン公園(Parc régional du Poisson Blanc)は、島や湖があり、キャンプができる自然公園である。この公園のために、キャンプ用の小さな山小屋「La Pointe(ラ・ポワント、「先端」の意)」が作られた。

モントリオールの建築スタジオ L’Arbiによるもので、その独特な三角形の形は、1950年代に北米で広まったAフレームを再解釈しようとする建築だ。

ほとんど記号のような単純なものを作るのに重要なのは、空間の機能性と自然との関係性だという。せいぜい2~4名ほどしか入れないオフグリッドの小さな建物で、L’Arbiの建設チーム自身が現場で作り上げたそうだ。

入場口から小道を10分ほど歩くとこの小屋にたどり着ける。屋内は簡素で自然の光が差し込む設計。1階には小さな台所とベッドにもなるテーブルがあり、はしごで登れば2階の寝室に入ることができる。

一番のポイントは大きなガラスの開口部で、遮るものなく森や下方にある池が見える。屋根つきのテラスは母屋を支えにしたような構造で、天気が良くない時にも屋外を楽しむにはうってつけの場所となっている。

長い屋根のスチール製の外装は、かつての田舎の建物を意識したものだ。天然のヒマラヤスギの板や受け木を使った外装は、時間が経てば銀色を帯びるそうだ。End