北大西洋・フェロー諸島の新しいランドマーク
地元の海食洞を再現した「Hotel Tórshavn」

北大西洋に浮かぶフェロー諸島(Faroe Islands)の首都トースハウン(Tórshavn)で新しいランドマークになるホテルの建設が計画されている。

このフェロー諸島は、観光地として世界的な注目を集めているが、地元のアイデンティティを失うことなく、新たな観光客を歓迎する島になるにはどうすればよいかという課題があるそうだ。

こうした問題に対して、建築設計事務所 Henning Larsenは、島の中心に建設するHotel Tórshavnのデザインで答えようとしている。

ホテルには広々とした公共のロビーと広い階段を設けることで、人通りの多い2つの歩行者専用道路を結びつけ、トースハウンにおける都市生活の新たな通路を構築。さらに、地元のアイデンティティを示そうと、フェロー諸島の自然な風景に着目した。

何千年にもわたり、フェローの玄武岩の崖は、北大西洋の波にうたれて独特の海食洞を形成。海岸沿いをゆく冒険家や好奇心旺盛なカヤックの漕ぎ手にとって、長年のあこがれの地であった。この海食洞を、公共のアクセシビリティと地元のルーツを守るために、ホテルのホワイエに再現したのだ。

フェローの観光局は、2020年までに国内の宿泊数と年間の観光収入を倍増させるコミットメントを2012年に策定。これを受けて、島の航空や港はいつも観光旅行の記録を更新している。全国的に観光業が成長しており、Hotel Tórshavnでは、ローカルな機能とグローバルな機能の両面をあわせ持つ建築を目指している。End