MITとNASAのエンジニアが新しい飛行機の翼を開発
小さな部品を数百個も組み立てた構造

▲Image: Eli Gershenfeld, NASA Ames Research Center

MITNASAのエンジニアが新しいタイプの飛行機の翼を開発しているそうだ。まったく同じ小さな部品を数百個も組み立てたもので、より軽量でエネルギー効率の高い航空機設計が可能になるのではないかと期待されている。

従来の翼だと、航空機の横揺れや縦揺れを抑えるのに、補助翼のような個別に動く部分が必要だった。これに対して、この新しいシステムでは、硬さのある要素と柔軟性のある要素を混ぜて構造に組み込んで、翼全体もしくはその一部が変形できるようになるのだ。

小さな組立部品は、空間のある軽量で格子状の骨組みにボルトで固定し、この骨組みと同じポリマー材で薄い層を施しているので、金属製や複合材製の従来のデザインと比べてはるかに軽く、燃料効率が非常に高い翼が実現。

▲Image: NASA

▲Image: Kenny Cheung, NASA Ames Research Center

また、離陸や着陸、飛行、操縦などの各段階で翼に最適なパラメータを設定することも可能。従来の翼はどんな点でも最適化されていない妥協の産物で、それゆえ効率は良くなかったのだとか。

また、自動調整や作用を受けて翼が再構成されるプロセスなど、翼の形状を変えることで、空力負荷条件の変化に対して自律的に対応できるシステムになっているのだという。

▲Image: Eli Gershenfeld, NASA Ames Research Center

今後は翼だけでなく、宇宙船や宇宙にある構造物、風力タービンの羽根、橋などにも活用できそうだとしており、小さな部品を現場で組み立てられるので実用性も大きく膨らみそうだ。End