nendoとWonderGlassによる家具とアクセサリーのコレクション「melt」
ミラノサローネ2019の個展「shape of gravity」で披露

佐藤オオキが主宰するデザインオフィス nendoは、ヴェネチアンガラスの専門メーカー「WonderGlass」のためにデザインした、家具とアクセサリーのコレクション「melt」を公開している。

WonderGlassは、溶融したガラスを型に流し込んで成型する「鋳造ガラス」を得意としている。まだガラスが柔らかいうちに型から取り出して、さらに手作業で造形を施す独自技術だ。nendoは、型から取り出した後のガラスの粘性をできるだけ生かしたデザインを手がけた。

まずは四角い枠のなかにガラスを流し込み、複数の職人が同時にコテを使って手際よく表面を均等にならす。徐々に冷めてきて、一定の粘性になったタイミングを見計らい、山型あるいは谷型の台に乗せる。

▲Photographer : Akihiro Yoshida

すると、ガラスがゆっくりと下に垂れていき、美しいアーチを描くという。ガラスが落ちていく最中も、職人たちは捻れや切断が起きないようコテを使って空中で形を整えたそうだ。

このようにしてできあがった曲面状のガラスを使い、アームチェアやテーブル、花器などをデザイン。ガラスの自重と粘性によって自らの形状を生み出していることから、コレクションを「melt」と命名した。

▲Photographer : Akihiro Yoshida

また、nendoはこのコレクションのために、ミラノサローネ2019にて個展「shape of gravity」を開催。曲面状のガラスで作り上げたシャンデリアも披露された。End