バイオミミクリにヒントを得たノートルダム復興のプロポーザル
Vincent Callebaut Architecturesの「PALINGENESIS」

先ごろ大きな火災に見舞われ、屋根部分が大きく消失してしまったパリのノートルダム大聖堂だが、その復興はどのように進められるのだろうか。

Vincent Callebaut Architecturesは、ノートルダムの再建について、どのように私たちの時代の人間の知性を建築としてまとめ、カトリックの展望を描くことができるかを考えたそうだ。

そこで同事務所が公開したプロポーザル「PALINGENESIS」は、自然界や生物の仕組みをデザインやプロセスに活かす「バイオミミクリ(Biomimicry)」にヒントを得たソリューションをパリに提供するという、スケールの大きなプロジェクトで、人間と自然とのあいだのより公正な共生関係を目指すという。

4つの隅木を設けることで、高さ10mの屋根裏部屋のもとの形状を尊重。十字路に向かって進むと、三角形の断面と55度の急峻な傾斜の屋根が徐々に伸びて垂直の尖塔を形成するデザインだ。

斬新なオーク材のフレームは、カーボンファイバーのスラットで補強したクロスラミネートティンバーの梁で構築。カテドラルに最大の透明性を提供しながら、カーボンフットプリントを低減するために、最小限の材料を使用する。

また、このフレームは、ダイヤモンドのファセットのような形に細分された3次元クリスタルガラスで覆われている。このクリスタルは、炭素、水素、窒素、酸素による有機活性層でできており、光を吸収してエネルギーに変え、水素燃料電池に蓄えて、大聖堂全体にわたり活用される仕組みとなっているようだ。End