第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示
異なる分野のアーティスト4名が共演する「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」

▲展示風景
下道基行による映像《Tsunami Boulder》と、安野太郎によるバルーンとリコーダーの様子
撮影:ArchiBIMIng

国際交流基金は、イタリア・ヴェネチアで 2019年5月11日(土)から11月24日(日)にかけて開催される「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ 国際美術展」に参加し、日本館展示を主催する。

本展のキュレーターを務めるのは服部浩之氏。展示タイトルは「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」と題し、美術家 下道基行氏、作曲家 安野太郎氏、人類学者 石倉敏明氏、建築家 能作文徳氏という異なる専門分野で活躍する4名のアーティストによる作品展示が行われる。

本展では、「私たちはどのような場所でどのように生きることが可能か」というキュレーターとアーティストの問題意識を背景とし、異なるものの多様な「共存」のかたちを探求。

▲展示風景
下道基行による映像《Tsunami Boulder》と、安野太郎によるバルーンとリコーダーの様子
撮影:ArchiBIMIng

▲下道基行《津波石》(2015年〜)

世界各地に存在する巨石「津波石」を出発点に、映像や資料、音楽、空間構成などによって、人間の存在や行為と地球の時間や存在を重ねながら考察しようとするものになっている。

日本列島は自然災害の多発地帯で、2011 年の東日本大震災では大津波による原発の大破という近代化の歪みを経験した。資本主義が地球を覆い、人間活動の爆発的な増大がもたらす新たな地質時代の到来に関する議論が活発化するなかで、地表面の薄皮程度の空間に暮らす人間の活動が地球環境に甚大な影響を与えていることを考えさせてくれるだろう。End