NASA主催の3Dプリンタによる火星用住居作成コンペ
ニューヨークの建築設計事務所 AI SpaceFactoryが勝利

NASA主催の3Dプリンタによる火星用の住居作成コンペにおいて、ニューヨークの建築設計事務所 AI SpaceFactoryが勝利を収め、NASAから賞金50万ドル(約5,500万円)が贈られた。

本サイトでもこのコンペについて紹介しており、その時点では、同チームは上位5チームのうちで第2位につけていた。完成した作品「MARSHA」は、高さ15フィート(約4.5m)で、外装には3Dプリンタを駆使。3つある小窓はロボットが設置したものだそうだ。

オートメーションにより、約30時間で完成。生分解性がありリサイクル可能な火星の天然素材から得られるものと同じ、革新的なバイオポリマーの玄武岩複合材料を使用。NASAによる圧力、煙、衝撃などの試験に耐えることができ、この材料が他のチームのものよりも強度や耐久性に優れることが分かった。

地球では重力や風の影響を考えて平たい建築を目指すところを、火星では室内の気圧や建物にかかる圧力から縦長の住居を考えた。こうすることで、設置面積が少なくて済み、不安定な要素の多い場所での建設用作業車の移動範囲も最小になるという。

また、同事務所では、今回使用した材料をリサイクルして、「MARSHA」に似た地球上で火星体験ができる住居「TERA」を作り、2019年5月中にはクラウドファンディングサイト Indiegogoで発売する予定にしている。End