隈研吾建築都市設計事務所による
木でできた優しく柔らかなICUの体育館

▲ICU New Physical Education Center © Kawasumi・Kobayashi Kenji Photograph Office

緑の豊かさで知られる東京・三鷹市の国際基督教大学(ICU)のキャンパス。その森の中に、隈研吾建築都市設計事務所が木でできた優しく柔らかな体育館をデザインした。

森の中には、ミニマルなカーブする木の屋根が舞い降りたような形状を表現しながら、内部にはアリーナ棟、プール棟、エントランス棟と、用途ごとの要請に応じた多様な空間を用意。それぞれの空間の性能とキャラクターを表現するために、最適な木造システムを採用した。

▲ICU New Physical Education Center © Kawasumi・Kobayashi Kenji Photograph Office

アリーナ棟は240×360の流通材によるアーチ構造を採用して、天井高を確保。プール棟はライズを抑えるために、同じく流通材を用いた樹状アーチ構造とした。エントランス棟は、CLTの柱によって支えられたLVLによる折板構造にして、エントランスキャノピーの片持ち屋根との連続性を確保している。

異なる構造システムと断面形状を持つ屋根と屋根の隙間を、採光と換気のための開口として利用することで、明るく快適な室内環境が実現。

▲ICU New Physical Education Center © Kawasumi・Kobayashi Kenji Photograph Office

木という物質には多様な構造システムを可能にする、フレキシビリティと寛容性が内蔵されていることを改めて確認させる建築となった。End