ロッキーマウンテン国立公園に作った軽量プレハブ構造の公衆トイレ
AIA・Small Project Awards受賞作「Longs Peak Toilets」

▲Credit:Jesse Kuroiwa

AIA(アメリカ建築家協会、American Institute of Architects)では、小規模プロジェクトを手がけた建築家の質の高い仕事を評価する「Small Project Awards」を開催している。規模や範囲を問わず、建築家がプロジェクトで実現する優れた価値とデザインを一般の人々広めようとするのが目的だ。

2019年の同賞には「Longs Peak Toilets」が選ばれた。コロラド大学の「Colorado Building Workshop」によるもので、コロラド州にあるロッキーマウンテン国立公園内の未開の場所に作った軽量プレハブ構造の公衆トイレだ。人間の影響を最小限に抑えた新しい処理方法を考えたものだそうだ。

▲Credit:Jesse Kuroiwa

▲Credit:Jesse Kuroiwa

すてきな公衆トイレのデザインと、より人間らしいトイレの処理・回収の解決策を見つけるために、アメリカ合衆国国立公園局(National Park Service)と同大学デンバー校のデザイン建築プログラムが共同で設計・建築を行った。

こうしてできあがった作品では、プレハブ構造に石を詰め込んだ「蛇篭(じゃかご)」の壁を採用。蛇籠のなかは、薄い鋼板のモーメントフレームが構造内の横方向の負荷を三角形に分けており、現場で収集された石もバラストとして機能しているのだそうだ。

▲Credit:Erik Sommerfeld

▲Credit:Erik Sommerfeld

革新的な組立式の建築で、わずか8日間で完成。周囲の景観に溶け込むものができあがった。End