インドのデザインスタジオ 「Fifth Column」が手がけた
現代性と伝統を組み合わせたスツール「Ciro」

インド・ヴァドーダラーに拠点を置くデザインスタジオ Fifth Columnが手がけた「Ciro」は、現代的なプロセスと伝統的なプロセスを組み合わせたスツールだ。

名前は太陽と形が似ていることからそのように付いたそうで、主に木材を使用しており、鋳出したアルミフレームを天然の籐で編み込むことで構造上の強度を確保。異なる木目の座面となる円盤と4本の足が、スツールとしての個性や未加工な印象をつくっている。

Ciroでは、座面を手織りの籐にし、そこに機械で造った木と金属の要素をつなぎ合わせることで、2つの作業方法を結びつけている。この手織り部分はスツールのほんの一部だが、見た目のよさや快適さ、座面の安定性など重要な役割を果たし、なおかつ職人技を称えているのだ。さらに、この籐を放射状に編み込むことで、スツールにバウンス効果ももたらしている。

私たちの大量生産の時代には、製品を標準化することで、一貫性、効率性、コスト削減、厳格な納期が実現できるだろう。しかし、それは手作り製品の衰退を招いている。その灯りを取り戻し、今日の世界のなかでより適切な製品をつくり出すべきだと考えたそうだ。End