寺⽥倉庫が運営する建築倉庫ミュージアムでは、2019年7月20日（土）から10月14日（月・祝）まで、企画展「構造展 -構造家のデザインと思考-」が開催される。

日本の有名建築には必ず「構造家」の存在、および建築家と構造家の協働がある。構造家は、建築家のイメージする空間を実現すべく、建築家との対話を繰り返しながら構造システムを検討し、意匠・計画・設備・施工の各種与件に対して、技術を応用し、思想を持って構造をデザインする役割を担っている。

▲国立代々木競技場©️斎藤公男

丹下健三とともに国立代々木競技場（1964年）を手がけた構造家 坪井善勝をはじめ、磯崎新・伊東豊雄・妹島和世作品における佐々木睦朗、隈研吾の初期作品を手がけた中田捷夫、田根剛作品の構造設計を手がける金田泰裕など、多くの構造家が日本の名建築を支えている。

同展では、彼らを含む50名に及ぶ構造家の思考とデザインに焦点をあて、60作品70点以上の「構造システム」「構造デザイン」にまつわる模型や図面、そのプロセスや思考が分かるスケッチや映像などを展示。

▲左) 金田泰裕　Todoroki House in Valley©️yasuhirokaneda STRUCTURE 右) 梅沢良三　IRONHOUSE構造模型©️瀬尾憲司

▲左) 佐々木睦朗 せんだいメディアテーク アクソメ図©️佐々木睦朗構造計画研究所 右) 大野博史　構造模型©️瀬尾憲司

▲左) 川口衞 　富士グループ・パビリオン©︎川口衞構造設計事務所 右) 坪井善勝・ 川口衞 お祭り広場©︎神谷宏治

1950年代から現代まで、日本の構造家が築いてきた多様な美学や感性を、会場全体を通じて体感できる今までにない展示構成となっている。また、会期中は出展構造家によるギャラリートーク、構造家×建築家をテーマにした様々なイベントも開催予定だ。