ブルキナファソの建築家 ディエベド・フランシス・ケレ
アメリカと西アフリカを結ぶパビリオン「Xylem」が完成

米モンタナ州の自然に囲まれたTippet Rise Art Centerでは、アフリカ・ブルキナファソ出身の建築家 ディエベド・フランシス・ケレ(Diébédo Francis Kéré)が手がけたパビリオン「Xylem」が完成した。

牧場を訪れる人のための静かな避難所として設計。名前は「木部(xylem)」という木の内部の重要な組織にちなんでおり、会話をしたり、そばを流れるグローブ川の土手付近に生えるヤマナラシやヒロハハコヤナギといった木々を眺めて考えごとをしたり、ひとりぽつんと座って瞑想することができる場所だ。

▲Photos by Iwan Baan

全体にわたって持続可能なマツを使用。これらは寄生虫から森林を守る剪定作業を通じて地元で調達、木の生の外観を活かしている。

7本の鋼鉄製の柱の上には、耐候性のある鋼鉄でモジュラー式の六角形構造を組み立て、そこに丸くした木の束をはめ込んだ。上部は周囲の丘に溶け込む丸みを帯びた形状で、太陽光が丸太のあいだを通り抜け、その下にあるシートや磨かれた円形のコンクリートに光と影を作り出す。

また、このパビリオンは、ブルキナファソの村 Gandoに作られた「Naaba Belem Goumma Secondary School」と並行して建設されたそうだ。屋根はマリのドゴン(Dogon)族の村々にある「toguna」という建築に着想をえたそうで、モンタナと西アフリカのユニークなつながりを見せている。End