ウォーキングとランニングの両方をサポートできる
軽量ウェアラブルデバイスを米研究所が開発

▲Credit: Wyss Institute at Harvard University

現在さかんに開発されているウェアラブルロボットでも、ウォーキングとランニングの両方をサポートできるポータブルデバイスの開発はこれまで困難だったそうだ。というのも、この2つの運動ではバイオメカニクス(生物力学)がまったく異なるからだ。

それでも共通するのは股関節を伸展する動きで、足が地面に着くときに始まり、身体を前に進めるにはかなりのエネルギーが必要だという。そこで、米ハーバード大学ヴィース研究所が発表した軽量のウェアラブルロボットは、人間の歩みの速度を広範囲にカバーできるものだ。

▲Credit: Wyss Institute at Harvard University

ウォーキングとランニングに特有の股関節の伸展をサポートするために、腰と太ももに繊維製のコンポーネントを装着。これと連動した駆動システムは腰に取り付け、ウォーキングからランニングへ、そしてまたウォーキングへという移行も、アルゴリズムが予測して制御してくれる。

この移行を予測するのに使われるのは、ユーザーの重心の垂直方向の変化。ウォーキングでは、かかとの着地後に重心は上方に移動し、直立フェーズの中間で高さは最大に達し、直立フェーズの終わりに向かって下っていく。ランニングでは、こうした重心の動きは反対になるそうだ。

なにより、全身を拘束しないシンプルなデザインが特徴的だ。平坦な道だけでなく山道でもサポートしてくれ、上半身も自由に使えるので、さまざまな場面での活躍が期待できそうだ。End