大林組が3Dプリンター用特殊モルタルと
超高強度繊維補強コンクリートとの複合構造を開発

▲設置完了部分にCGを重ねたシェル型ベンチの完成イメージ

大林組は、3Dプリンター用特殊モルタルと超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」との複合構造を開発したと発表した。セメント系材料を用いた3Dプリンターで製造される構造物としては、国内最大規模のものになるという。

スリムクリートは引張強度が高く、単独でも構造物として使用できるセメント系材料。常温で硬化し、自己充てん性のある材料なので、3Dプリンター用特殊モルタルで製造した外形の内部に流し込む作業も容易である。そして、鉄筋を人力で配筋する場合と比較して、作業を大幅に軽減することが可能だそうだ。

▲3Dプリンターによる製造状

▲複合構造の概念図

また従来は、3Dプリンター用特殊モルタルの吐出を途中停止することができず、積層経路が一筆書きとなる制約があった。今回、ロボットアームとポンプを連動して制御することで、吐出の開始と停止を自由に行うことが可能となり、一筆書きによらない積層経路による自由な積層造形を実現した。

今回手がけている構造物は、幅7,000mm、奥行き5,000mm、高さ2,500mmのシェル型ベンチ。外形は、3Dプリンター用特殊モルタルで製造。この構造物の内部に、引張力を負担できるスリムクリートを流し込む複合構造で、内部構造の中空部分を決定した結果、内部構造を密実とした場合と比較して、構造性能を損なうことなく重量を約50%軽量化。

▲トポロジー最適化の実行前

▲トポロジー最適化の実行後

同構造物は、12ピースの部材に分割して製造し、部材完成後に設置場所に据え付けるそうで、2019年10月末の完成を予定。完成後に暴露試験をして耐久性などを評価することにしている。End