屋上に「カメラ・オブスクラ」を備えたソウル初の写真美術館
「Seoul Art and Photographic Museum」の設計案が公開

トルコ・イスタンブールの建築設計事務所 Mask Architectsは、「Seoul Art and Photographic Museum」の設計案を公開している。その特徴は、屋上にカメラの原型である「カメラ・オブスクラ」(ピンホールカメラ)を備えることである。

このカメラ・オブスクラを通じて、発展するソウルの街並みを映像として展示室で楽しみながら、ソウルの歴史や革新と伝統のバランスを理解させることがねらいだそうで、実現すればソウルで最初の写真美術館として、写真家も市民も巻き込んだ新しいランドマークとなるだろう。

この装置は、2つのレンズと大きなペリスコープで構成。開閉も可能で、展示向けに暗い雰囲気が必要な場合にはピンホールを閉じ、イベント時にはピンホールを開いて、来場者に実際のカメラがどんなふうに機能するかを披露するという。

同館のデザインは、ソウルにあるブロック状の構造物とは対照的で、リズミカルなダンスのような動きをする韓国の伝統武芸「テッキョン」にインスパイアされたという。この武芸の蹴りの動きをカンチレバーで表現、流れるように有機的で力強い形状が生まれた。

正面に張り出した構造は、屋根としてオリエンテーションエリア、チケットホール、カフェ、書店を提供。むき出しの鉄骨構造は広い前庭に光と影を投げかける巨大な彫刻のようにも見え、角度ごとに異なる表情を見せながら、来場者は建物と感じ合う刺激的な感覚が共有できるそうだ。End