「Seoul Photographic Art Museum」の国際設計コンペ
Jadric Architektur ZT GMBHと1990uaoの案が最優秀賞を受賞

先日、Mask Architectsの設計案を紹介したが、現在、ソウルで建設の計画が進められている「Seoul Photographic Art Museum」の国際コンペ。当コンペの最優秀賞に、オーストリア・ウィーンの建築設計事務所 Jadric Architektur ZT GMBHと韓国の1990uao(yoon geun ju)による設計案が選ばれたと発表された。

ソウルのChang-dong地区において彫刻的なランドマークとなるダイナミックなデザインで、そのねじれたモノリシックな形状は、周辺の公共スペースだけでなく、地区全体の建築アイデンティティを豊かにするものだ。写真は光で描き、建築は光のなかに集められた形で作られるという意味で、写真と建築の共生を見据えている。

建物のこのダイナミックな動きは、建築と写真の共通した特徴であるスナップショットを表現。建物は広場と融合することで、座ったりのんびりしたりできるウォークイン・オブジェとして、広々とした公共空間を作り出す。1階は、ゆったりとしたスペースのあるオープンな「ゲストルーム」となるだろう。

鑑賞者は建築の内側でも外側でも都市の景観が楽しめ、近隣の住宅には環境全体でより高い質を提供する、という二重の社会空間を作り出すことが建築のコンセプトだ。

鑑賞者が展示エリア内で快適に移動できるように、建物内の機能ユニットのつながりを考え、どんな展示でも柔軟に対応。各部屋をつなげて、より大きな展示ユニットも形成できる。照明は建物と光の相互作用をコンセプトとし、光と身体が共生できるように、従来型のスクリーンではなく、バックライトの付いたコンクリートリブを採用する。End