イケアが「火星砂漠研究基地」で製品テストを実施
極限的な居住空間で使用して製品改善を目指す

イケアは、国際NPO「火星協会(Mars Society)」と協力して、米ユタ州の砂漠にある同協会の施設「火星砂漠研究基地(Mars Desert Research Station)」に家具を設置し、製品テストを行っている。

この施設は火星での探査に向けて設計された世界中の研究者や学生のための模擬住居で、地形や景色が火星と似ているこの砂漠が選ばれた。直径8mの円筒形・ドーム型の施設で、6人からなるチームが数週間にわたり生活と研究を展開している。

室内は二段構成で、下段にラボとワークショップを設け、上段にはキッチンと睡眠・プライバシー用の小ベッドルームを6室備えている。

イケアで長年インテリアデザイナーを務めるChristina Levenbornは、2年前にイケアのチームとともに宇宙船のような環境に滞在。こうした空間とメガシティにおける都市生活がどのように関連するかを考え、この極限的な住居で既存のイケア製品をどのように使い、改善できるかをテストしているそうだ。

そして今回のプロジェクトでは、柔軟で多機能的に配置できる小スペース向けの製品を使い、居住スペース用には、移動できるように車輪のついた製品や、ベンチにもテーブルにもなるスツール、省スペース用にスタックできるチェアを導入。

「狭い場所では多くの人が作業空間を共有するので、立ったままでも座ったままでも全員のニーズに対応できることが重要です」と語るLevenborn。今後もこの施設でテストを継続する見通しだ。End