nendoが手がけた置時計「cubic clock」
キューブのカドを斜めにスライスした針が時を刻む

佐藤オオキが率いるデザインオフィス nendoが手がけた「cubic clock」は、高級時計専門店 THE HOUR GLASS(アワーグラス)のための置時計である。アルミニウム製で、サイズは22.2 x 22.2 x 22.2 cmとなっている。

この時計では、キューブのカドを斜め方向に2箇所スライスし、その切り取られたパーツが2本の針になっている。これらの針を使って、時刻を伝えてくれるのだ。


長針と短針が重なる瞬間は1日に22回あるが、そのうち「12時」と「0時」の2度だけ、2本の針が垂直方向に綺麗に重なる。この、どことなく気持ちをリセットさせてくれるような感覚をよりどころに、キューブ型の時計をデザインしたという。

さらにもうひとつのカドを切り取ると台座となり、上を向いている稜線が「12時」を示す。要素を加えていくのではなく、切り取っていくことによって、1日にたった2回だけ本来の姿を現す時計が生まれた。End

▲Photographer : Hiroshi Iwasaki