写真家・濱田祐史の書籍「Primal Mountain」が発売
東京都写真美術館での作品展示も

写真家・濱田祐史の書籍「Primal Mountain」がtorch pressから2019年12月上旬に発売される。A4変型横/ソフトカバー/112ページで、定価は4,000円(税別)。

同氏の代表作「Primal Mountain」は、一見すると山の風景写真のように見えるが、実は私たちの身近にある素材で作られた「山」であることに気付くという。

「真実と虚」「見えるものと見えないもの」という自身のテーマと震災の体験が繋がっていくなかで、ある日友人から山の写真のポストカードが届いたそうだ。濱田は、そこに写る美しさとともにある嘘っぽさに、これらの「山」は果たして本当の山なのか、という疑問を抱き、同作の撮影を開始。

私たちは目の前に見えている山を、一体何をもって山だと認識するのか。ここでは、私たちの脳が「作られた」ランドスケープをつい風景だととらえてしまうことさえ、心地いい経験となっていくのだ。


 
同書は袋とじのような綴じ方を採用。ページの裏側に写真の拡大図を印刷しており、横から裏側のイメージを覗くことができる。綴じを「山」と「谷」に見立て、「見えるものと見えないもの」を一冊の中で体現した仕掛けで、ページをめくる行為を通して、リアルとファンタジーの間を軽やかにたゆたい、「見ること」とは何かを問いかける。

デザインは田中義久が担当、巻末には濱田が影響を受けた松岡正剛による寄稿を収録。プリント付きの特装本も限定販売される。

また、東京都写真美術館で2020年1月26日(日)まで開催中の「至近距離の宇宙 日本の新進作家 vol.16」でも同氏の作品が展示されている。End

「至近距離の宇宙 日本の新進作家 vol.16」

会期
2019年11月30日(土)~2020年1月26日(日)
10:00~20:00 入館は閉館時間の30分前まで
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12月29日から1月1日)
※1月2日(木)・1月3日(金)の開館は18:00まで
会場
東京都写真美術館 2F
詳細
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3447.html