通り過ぎるときに建物の表情が変わる
「NEXXUS SHANGHAI」のジグザグのファサード

▲Photography: Dirk Weiblen

1990年代に大規模な都市化が始まり、まだなお急速な成長を遂げている上海。同市に拠点を置く建築設計事務所 AIM Architectureは、それでもこの地には再生が必要だという。

それは、都市がその不備を改善し、失敗を修正し、やり直さなければならないからだ。また、都市は成長するにつれて、そのニーズが必然的に変化してしまうからでもある。つまり、都市の刷新は絶え間ないプロセスなのである。

▲Photography: Dirk Weiblen

▲Photography: Dirk Weiblen

そんな同事務所が取り組んだ「NEXXUS SHANGHAI」は、共用部を備えたハイブリッドなワークスペースと、さまざまな施設をワークスペースに追加した1階商業フロアからなるプロジェクトだ。

▲Photography: Dirk Weiblen

▲Photography: Dirk Weiblen

とくに注目すべきは、そのファサードである。この建築では周囲との相互作用を考えて、同じような外観が並ぶなかで際立つようなデザインを採用。異なる色のガラスと異なる透明度を使ってジグザグにすることで、北からは透明度が非常に高く、南からは閉じた印象を受けるなど、前を通り過ぎるときに建物の表情が変わるようにした。

さらに、街路からの騒音を大幅に減らし、南からの日差しと温度の上昇を抑えながら、北に向けて景色が広がるようになっている。

▲Photography: Dirk Weiblen

▲Photography: Dirk Weiblen

また、南向きのファサードに上海のプラタナスの葉をプリントし、木々とガラスと空が一体となった表情が浮かび上がる。こうした要素も見る人が移動すれば、表情を変えていくのだ。End

▲Photography: Dirk Weiblen

▲Photography: Dirk Weiblen

▲Photography: Dirk Weiblen