デザイナー大西宣彰によるプロダクトが歴史建築とコラボ
「アルベルロイの極小空間展」が開催

プロダクトデザイナー・大西宣彰がデザインを手掛けるブランド「ALBELROY(アルベルロイ)」は、建築とプロダクトの関係をテーマにした「アルベルロイの極小空間展-建築家・保岡勝也の住宅で場をつくる-」を開催する。会場は埼玉・川越にある国の重要文化財・旧山崎家別邸で、会期は2020年3月21日(土)から3月31日(火)まで。

ALBELROYは、大西宣彰が主宰するデザインオフィス irimiによるオリジナルブランドで、「極小の家具」をコンセプトに 2019 年から一般販売がスタートした。真鍮を使ったデスクアイテムなどを中心に、建築をイメージさせるフォルムで空間に置かれた時の佇まいを重視した提案を行っている。

▲「SLOWRAFT」と名付けられたペントレーは、書院建築の棚に飾られる硯(すずり)をイメージしたデザイン。名刺ホルダー「MR.D」は、彫刻家のDani Karavanへのオマージュ。名刺を重ね置きした姿が美しく見えるように配慮。どちらも真鍮製。
©ALBELROY

▲ブックエンド「TATLIN」は、固定する方向が自由なのが特徴。真鍮製。
©ALBELROY

本展では、プロダクトで体験を提供する試みとして、明治生まれの建築家・保岡勝也(1877~1942)が設計した和洋折衷型住宅で、ステーショナリートレイ、ブックエンドを含む20のアイテムを使って、現代のワークライフスタイルをイメージさせる空間づくりを行う。

▲洋館客室でブックエンド「TATLIN」を置いた様子。ロシア・アヴァンギャルド建築がモチーフのデザイン。真鍮製。
Photo by Nobuaki Onishi

▲和室客間の棚にステーショナリートレイ「KULAST」を置いた様子。デザインは枯山水がモチーフとなっている。真鍮製。
Photo by Nobuaki Onishi

会場の旧山崎家別邸は大正14年(1925年)に竣工し、設計者の保岡勝也は「東京駅」を手掛けた辰野金吾に学び、丸の内エリアの赤レンガ建築・三菱4号館以降を手掛け、茶室と茶庭の研究を続けながら、日本初の住宅建築家の地位を築いた人物だ。

▲来客用ダイニングにマルチトレイ「FLAP」を置いた様子。山型によってスペースが2つになり、モノを取りやすく設計
されている。
天然木+ステンレス製
Photo by Nobuaki Onishi

空間デザイナーとしても活動する大西宣彰は、歴史的な名住宅の保存継承と改修設計にも関わっており、今回の展覧会を、現存する上質な建築空間を知るきっかけづくりとしても機能させたいと考えている。

展示内容は事前にインスタグラム「ALBELROY EXHIBITION」で公開されており、建物にまつわるストーリーや建築家について資料性をもたせたアーカイブとして継続していく。

写真はすべて大西自身が現地に数日間滞在して撮り下ろしたもので、建築空間で実際に体験した光や空気感を重視して撮られたものだ。大西はプロダクトの立場から「実際に手が触れる距離で感じる質感」と「モノの見え方が建築空間でどう変化するか」に着目して撮影したという。

▲和室客間の飾り窓にデスクホルダー「THISTLE」を置いた様子。花器に見立ててシンプルな床の間をイメージ。
天然木+ステンレス製
Photo by Nobuaki Onishi

アルベルロイを持つ事で、山崎邸に限らず世の中の上質空間が日常的に感じられ、家の外に自分の居場所が増えていくような感覚につながれば、一般的なマスプロダクトの価値のあり方や可能性をひろげる一歩にもなりそうだ。End

「アルベルロイの極小空間展 -建築家・保岡勝也の住宅で場をつくる-」

会期
2020年3月21日(土)~3月31日(火)
会場
旧山崎家別邸(国指定重要文化財)
協力
川越市役所 産業観光部
詳細
https://www.albelroy.com
Instagram
@albelroy_exhibition