東京・銀座にあるATELIER MUJI GINZAは、2020年3月13日（金）から7月5日（日）まで、ATELIER MUJI GINZA Gallery1にて展覧会「白　の中の白　展―白磁と詞（ことば）　という実験。」を開催する。

たとえば何気ない一客の白いカップアンドソーサーというモダンデザインの白い磁器にも、実は長いものがたりがあるという。

中国などでは青磁や白磁が悠久の歴史を誇り、ヨーロッパでは白い陶磁器を得るために長い研究と多大な努力が重ねられてきた。しかし、その「白」が装飾のための素地でしかなかった時代は長く、20世紀になってようやく無地の白い器が誕生。

同展では、そんな白くあることと無地であることという2つの要素の出会いがかたちとなった白磁の数々、そして白をめぐって見出されたイメージや詩の世界まで、モダンデザインが発見した「白」を現代の私たちの眼で再発見する展示が行われる。

白いキャンバスに白い方形を描いた作品「White on White」（1918）で知られるカジミール・マレーヴィチがデザインした白のティーセット、バウハウスの影響のもとシンプルなフォルムを極めたトゥルーデ・ペートリの「ウルビーノ」シリーズ、そして、日本のプロダクトデザインの巨匠、柳宗理や森正洋らによる普段使いのモダンな白磁まで、インテリアデザイナー・永井敬二のコレクションから白い器を中心に50点以上が一堂に会する。

そのほか、白への思索を巡らせた詞（ことば）を綴る書籍10冊を紹介。同展タイトルとなった、20世紀の前衛詩人・北園克衛の詩の一節を含む古書も登場する。白い器と白を描いた詞を並べるささやかな実験でもある同展で、白を視て読んで感じることができるだろう。