コンクリートと植物が融合したリサイクルコンクリート
東京大学、バイオアパタイト、大野建設が共同で開発

▲リサイクルコンクリート(下段:右に行くほどコンクリートがれきの割合が多い)と材料(上段:廃木材とコンクリートがれき)

東京大学生産技術研究所 講師の酒井雄也氏、バイオアパタイトの中村弘一氏、大野建設の大野治雄氏らは、コンクリートがれきと廃木材を粉砕して混合し、ホットプレス(加熱しつつ圧縮成形)することで、コンクリートと木材が融合した新たな土木/建築材料として、コンクリートがれきをリサイクルすることに成功したと発表した。

このリサイクルコンクリートは、既存のコンクリートよりも数倍高い十分な曲げ強度を示したそうだ。コンクリートがれきの再生過程で必要な材料は、コンクリートがれきと廃木材と水だけで、新たなセメントは不要。また、副産物も発生しない。

リサイクルコンクリート内では、木材の成分の1つであるリグニンがコンクリートがれきを接着している。リグニンは多くの植物に含まれるため、廃木材の代わりに、野菜や落ち葉、製紙工程で発生する副産物としてのリグニンなどを試したところ、これらでもコンクリートがれきを接着できることが確認されたという。

リグニンは難分解性だが、特定の木材腐朽菌によって生分解されることが知られていて、リサイクルコンクリートを使うことで処分が容易になり、環境負荷が低下すると期待されている。End