ナイキが2020年のフットボールユニフォームを公開
アートとサイエンスをもとに各国の文化を落とし込む

ナイキが手がける2020年のフットボールユニフォームには、各国の代表チームに合わせて、それぞれに特徴的な歴史やカルチャーを落とし込んでいるそうだ。

デザイナーたちはそのカルチャーを深く理解し、代表チームとも協力して、手書きの模様から特製のフォントまでチームごとに制作。首まわり、袖、袖口、バッジの配置など、65のベースの中から選び、着る人の心に響くデザインに仕上げているという。

さらに、デザイン性のみならず、科学的に制作することもつねに重視。そのためにナイキの研究所では、300を超えるフットボール選手のプレー特有の動きなどをデータとして蓄積。

4次元可視化ツールを使い、サンプルを作るより前にプロダクトを形にすることで、ストレッチ、ドレーピング、フィットといった点で選手の身体への影響も分析可能。コンピューターでの設計プロセスにより、従来よりも55%も早く汗を皮膚から吸収、通気性は13%向上し、伸縮性も10%アップしている。

また、「ナイキフライニット」と同じニットの原理を生かして精密に編み上げられており、必要な部分には強さを、熱をためこみやすい部分には通気性を高めるように工夫。高度に緻密な編み構造でありながら、遠くから見た時には国を代表する誇りを引き立たせる出来栄えとなっている。End

▲アメリカ代表は、初めて2020ユニフォームで「States」を強調。アウェイユニフォームの背中とソックスの後ろ側から、アンセムジャケットの胸部、トレーニングトップの背中まで、「States」の文字が施されている。ホームユニフォームは、洗練された白地でディテールをうまく引き立てている。

▲韓国代表ホームユニフォームは、国旗をモチーフにした波のパターンを表現し、ユニフォームの背中の番号や選手の名前にも同じモチーフを採用。ジャージは、鮮やかなピンクが腹部からショーツにかけて代表を象徴する赤の色に変化する。エンブレムも新しくなり、ホワイトタイガーを幾何学的に表現。首回りと袖口は黒で、脇の黒ストライプには同系色のハングル文字で「大韓民国」とアルファベットで「Korea」の文字をデザインし、ソックスにも「Korea」の文字を施した。アウェイユニフォームは、ジャージとソックスに印象的なホワイトタイガーのプリントが施されている。

▲ナイジェリア代表は、前回の流れを受け継ぎ、伝統的なアグバダ ローブの美しさに現代的なフットボール デザインを融合。ユニフォームの柄は手描きで、気高さと家族を尊ぶナイジェリアの伝統を象徴するものだ。エンブレムは胸の中央に配置し、その下にスウッシュをあしらった。プレイヤーの名前と番号にはワシの羽も取り入れ、「Naija」の文字がジャージの首の内側とソックスの後ろに新しい字体で記されている。アウェイユニフォームは、ナイキジェリアのデザインや手工芸の中心的存在となった伝統的芸術運動から着想を得ており、トリミングのディテールに顕著に見られる。