NEWS | 建築
2020.03.02 17:08
独ベルリンをベースにする建築スタジオ NAICE Architectsがカナダ・ウィニペグで公開した「HOVERBOX」は、氷の上で展開されるインスタレーションである。
一見すると大きな白い箱が氷上に浮かんでいるように見える。箱の中では、訪れた人が歩き回ったり、時間を過ごしたり、ベンチに腰かけて足を浮かすことで宙に浮いているようにもできる。
2つの狭い入口のいずれかを通って入ってくるので、内部は入口しかない迷路のようにも感じられるだろう。通路は蛇行しており、ベンチにたどりつく。光もなく外の世界から遮断されるので、中に入った人はさまよい、混乱し、他の人とも足先で触れ合うだけである。
突然見知らぬ人と遭遇することもあるだろうし、また、ベンチ横の壁には穴が開いているので、スパイのように気づかれることなく周囲を観察することもできるだろう。これは、人との距離の遠さと近さを同時に楽しめるインスタレーションなのだ。