CASE-REALが内装を手がけた
DDD HOTELの実験的なキッチンスペース「nôl」

▲撮影:志摩大輔

2019年にオープンした東京・日本橋馬喰町の「DDD HOTEL」。37年続いたビジネスホテルを改修したホテルで、二俣公一のデザインオフィス CASE-REALが内装を手がけた。

この改修で1階に新しく登場したのが、唯一無二をコンセプトとした実験的なキッチンスペース「nôl(ノル)」である。

▲撮影:志摩大輔

実力派のシェフたちが店舗という固定の場所にとらわれず、ケータリングや不定期のディナーイベントなど、さまざまな活動に利用できるスタジオのようなスペースとするために厨房は広さがあるのに対して、客席はわずかテーブル8席。コンパクトながらも、非日常を感じられる料理に相応しい空間が求められたという。

また、「nôl」はフランス語の「non-usuel(普通ではない)」や「Noir(黒)」などに由来しているそうで、黒をベースにした空間、さらにそのスタンスから、決してフルオープンではない特別感などがリクエストされたそうだ。

▲撮影:志摩大輔

そこで、客席スペースは、壁から天井まで空間全体をダークトーンのマットなリシンで仕上げた。さらに、これを全面均一な「黒」にするのではなく、ブルーグレーからダークグレーのグラデーショナルな表情をつけることで、空間の奥行きを持たせている。

▲撮影:志摩大輔

▲撮影:志摩大輔

客席上部のペンダント照明は、空間に合わせてオリジナルで製作。シェード部分もリシンで仕上げて天井と一体に表現しつつも、天井部分との明暗差を強調している。厨房内はステンレスをベースに明るい仕上げとし、黒の客席に対してステージのような空間対比となっている。End

▲撮影:志摩大輔

▲撮影:志摩大輔

▲撮影:志摩大輔

▲撮影:志摩大輔

▲撮影:志摩大輔

▲撮影:志摩大輔