作り手の「手作り感」を3Dプリンタに加える
アーティストDaniël De Bruinが考案「This New Technology」

オランダ・ユトレヒトで活動するDaniël De Bruinは、さまざまなデバイスやツールのプロトタイプを手がけるデザイナーである。

同氏は3Dプリント技術にも詳しいそうで、迅速かつ効率的にプロダクトを作れ、労力を減らせるというその優れた利点も熟知しているという。

3Dプリンタを使えば、私たちの身の回りでさまざまな恩恵をもたらしてくれるだろう。しかし、こうしたテクノロジーから生まれたモノと私たちのあいだに、感情の面で距離ができてしまうのではないかと同氏は感じている。これらのプロダクトは、私が作ったものといえるだろうか? それとも、新しいテクノロジーの産物でしかないのだろうか?

このような疎外感をなくそうと、同氏は新しい装置「This New Technology」を考案した。プロペラを回して動力を伝えることでプリンタを動かす仕組みで、これを作動させるためには、まずは自分の力を機械に与えなければならない。これによって、作り手とプロダクトのあいだに因果関係が生まれるのだ。

できあがった作品は、3Dプリンタによるものだとはいえ、De Bruin自身の手作りにも見える。少なくとも、彼自身には手作業をしたという確実な感覚は残っているだろう。End