アルバカーキの風習や歴史をインテリアに落とし込んだ
カフェ&ワインバー「The Mercantile」

米ニューメキシコ州アルバカーキのフードホール Sawmill Market内にあるカフェ&ワインバー「The Mercantile」の内装は、かつての材木置き場の骨組みを使い、ニューメキシコの著名人たちのパントリーを現代風に解釈したものだそうだ。

この内装を手がけたのは、ブルックリンのデザインスタジオ Islyn Studio。地元の風習や歴史を調査し、建物の歴史、地形と心の関係、アルバカーキの人々の日常生活をデザインに落とし込んだという。

この地に住んだ女性画家 ジョージア・オキーフの家にインスパイアされたそうで、焼きたてのパンの匂いがし、野生のハーブを干している、そんな完璧な料理を出すアルバカーキのおばさんのキッチンをイメージしたそうだ。

オープンエアの空間は、柔らかく落ち着いた色調、朽ちることのない天然素材、黄金色に輝く照明、つやつやとしたサボテンの緑など、アメリカ南西部のさわやかな雰囲気を演出。ハーフウォールやシェルフを使って3つのエリアに分け、ショップ、クッキング、ダイニングのフルサービスを提供する。

地元や世界中のワインが楽しめるバーは、ヴィンテージ作品や地元の工芸品を思わせる素材を使用。カウンターの周囲に施された木のディテールは、ナバホ族が編んだバスケットの複雑なパターンにヒントを得た。

また、オーガニックな素材やプロダクトを並べることで、ニューメキシコの豊富な天然資源や産物がもつ豊かなニュアンスのストーリーを伝えている。典型的なショップとはちがった、土地に根付いた、親しみや人間味のあふれるスペースができあがった。End