テラコッタの色合いに調和する赤が特徴の
ロンドンのオフィスビル「245 Hammersmith Road」

2019年に完成したロンドンの「245 Hammersmith Road」は、22,500㎡のフレキシブルなオフィススペースと970㎡のショップスペースからなる新しいオフィスビルである。

設計を担当したSheppard Robsonは、1棟のビルながらも2棟を平行に並べるようにデザインし、そのあいだを中央のコアでつなぎながら、ボリュームも低減。

また、このデザインにより、ビルはハマースミスロードからのセットバックを実現。人々を惹きつける玄関口となる公園スペースが正面に生まれた。

オフィススペースは1~29のテナントを収容できるなど、最大限の柔軟性が発揮できるように設計。プロジェクトは、建物全体が地域のコミュニティとつながるように、地上レベルのビジネスラウンジや一般の人も利用できるカフェも設けている。

外装は、窓の周囲に傾斜したアルマイト処理のパネルを採用。赤い色合いは、隣接する保存エリアの建築にあるテラコッタとの調和を目指した。さらに、日差しを最小限に抑えつつ、日中に変化する明るさにも対応したダイナミックなデザインとなっている。

レセプションには、建物の壁面に組み込まれたアート・インスタレーションを設置。Sheppard Robsonの建築家でアーティストのPatricia de Isidoroが手がけた「Three thousand Threads」という作品で、この建物の建設に関わったすべての人へのオマージュだという。

レセプション横の凹んだ壁のあいだに金色の糸が立体的に張りめぐらされたタペストリーは、訪れた人を歓迎しながら、建物の成り立ちについても思いを巡らせてもらうための作品だそうだ。End