コロナウイルス発生から現在に至る
感染拡大を時間軸と場所で示す
ロイターのインフォグラフィック

当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。

“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。

今日のトピック

イギリスの通信社、ロイター(REUTERS)が、世界の感染経過を世界地図上で確認できるインフォグラフィック「新型コロナウイルス感染の現状」を公開しています。2020年1月から現在にいたるまでの感染者数の増加、感染地域の変遷が時間軸で確認できます。現在220の国・地域の情報が掲載されています。

SPREADはこう見る

5月25日に東京都の緊急事態宣言が解除され、まだ不安は残るものの少しずつ収束に向かっている今、あらためて状況を認識してみたい思いがあります。

2019年12月上旬に中国・武漢で発生し、現在も世界中に感染が広がっている新型コロナウイルス。現時点で約700万人が感染し、そのうち約40万人が亡くなっています。WHO(世界保健機関)は3月11日(奇しくも東日本大震災と同じ日にちでした)、新型コロナウイルス感染はパンデミック(世界的な大流行)に相当すると表明しました。

時間の経過とともに進行するこのグラフィックは、感染発生から速いスピードで変化する状況の全体像を体感することができます。百聞は一見に如かず、左下の「もう一度再生」をクリックして見てください。中国から赤い小さい丸が生じ、近隣国に移り、旅行先として多い米国、欧州とオーストラリアに移り、ロシア・中東・アフリカ・南米とあっという間に世界中の国に広まります。その後は感染者数の表す赤い丸が大きく成長する様がしばらく続きます。3月11日の頃には8割程度の国が感染を意味する黄色に染まったように見えました。

これを見ているといたたまれない気持ちになります。あまりにもあっという間なので、途中、動画のスライダーで止めたいと思いました。しかし、これは再生することはできますが、止めることができずに現在の状況まで流れ続けます。制作上意図したことかどうかはわかりませんが、逆戻りや一時停止ができない現実のできごとであることを思い知らされます。

また、このグラフィックの下に、国・地域ごとの感染状況、感染者数、死者数、回復者数、回復率や死亡率をグラフと数値でわかりやすく表記されています。さらには、国ごとの詳細推移や、感染者数が二倍になるまでの日数が見れる「新型コロナウイルス感染推移」、世界の教育機関の閉鎖状況が世界地図上で確認できる「新型コロナウイルスによる世界の学校閉鎖」も公開されています。こういった内容は英語サイトだけのものが多いのですが、日本語表記になっていることも見逃せない特徴です。

最後に、ソロモン諸島が未だ白いままで、感染者ゼロだということに少し安堵しました。End

▲本プロジェクトをレーダーチャードで示しました。6つの属性のうち、成果物のデザイン性を「Creativity」で評価しています。「Pure & Bold」は目的に対して一途な強さを感じるか、やりきっているかという、SPREADが自らの仕事において大切にしている視点です。