生物の進化史を俯瞰する「生物の進化大事典」が登場
養老孟司が日本語版総監修を担当

三省堂は、イギリスのQuintessence社が制作した「Evolution – The Whole Story」の日本語版となるスティーヴ・パーカー編「生物の進化大事典」の発売を開始した。B5変型判・オールカラー・576ページで、価格は4,200円(税別)となっている。

同書は、最新の知見に基づいて、最古の生命(全生物の最終共通祖先LUA)から現生人類ホモ・サピエンスまで、生物の進化史をオールカラーで俯瞰できる圧巻の大事典。

▲身長1メートルにも満たなかった人間「ホモ・フロレシエンシス」

各章は、進化を考える上で主要なグループや重要なテーマに分けて概説。さらにキー・イベントによって時代ごとの変遷がわかるという。さらに、各章の初めには、最新の知見に基づく系統図を掲載。この系統図により、それぞれの分類群の類縁関係がよくわかるそうだ。

▲最初の大型肉食恐竜の一種「ディロフォサウルス」

また、進化を研究する上で特別な意味を持つ絶滅種や現生種にスポットを当てて紹介したり、爬虫類と哺乳類については全ページ数の半分以上を使って詳しく解説するほか、豊富で美しい図版(化石、復元図、復元骨格)や生態写真などにより、見るだけでも楽しい一冊となっている。

▲陸から海に戻った哺乳類「クジラ類」

日本語版の総監修を担当したのは、解剖学者の養老孟司。「まえがき」では、「想像力は人生を豊かにする。夢物語は技術の進歩だけにあるのではない。ロマンは過去にも未来にも関係なく存在している。ロマンが欠けている状況を、じつは『つまらない』という。少しばかりでいいから、想像力さえ駆使すれば、この本は本当に面白い本である」とのコメントを寄せている。End

▲子育てをした恐竜「マイアサウラ」

▲甲殻類で最古の種の一つ「カナダスピス」