ノルウェーの氷河を見下ろす山小屋「Tungestølen」
強風を受け流すための五角形のキャビン群構造

ノルウェー西部にある村 ルステル(Luster)に、美しいヨステダール氷河を見下ろす高原の山小屋「Tungestølen」が完成した。ノルウェートレッキング協会の地元支部であるLuster Turlagのために、建築設計事務所 スノヘッタが設計を手がけた施設で、五角形のキャビンが集まって構成されている。

1世紀以上にわたって氷河を楽しむハイカーの重要なベースとなっていたTungestølenのもとのキャビンは、2011年のクリスマスの日に、ノルウェーや近隣諸国を襲ったサイクロン「Dagmar」により破壊されてしまったそうだ。

これを受けて再建された新しいキャビンは、構造にはグルーラム、内装にはCLTを使い、「ore pine」と呼ばれる地元のマツ材を外装に採用。9棟の頑丈で斜めに伸びた五角形のキャビン群ができあがった。

キャビンの外観を際立たせているくちばしのような外壁の形状は、谷底から吹き上がる強風を受け流すために取り入れられている。

メインのキャビンは、広い木製テーブルを囲んでみんなで楽しい食事ができるなど、快適な空間を提供。天井高は4.6mで周囲の風景を見渡すパノラマビューが楽しめ、広々とした集いの場にもなっている。また、その他のキャビンは、宿泊施設や小さなプライベートユニットになっており、30人ほどが快適に滞在することができるという。

ガイド同伴で氷河を踏破したいベテランのハイカーグループだけでなく、短期間で周辺を散策したい小さな子ども連れの家族にも適したスタート地点でそうで、メインキャビンには、大きな石造りの暖炉のある快適なラウンジもあり、ひんやりとした夏の屋外を避けて快適に過ごすこともできる。End