学校内、生徒と教員がソーシャルディスタンスを取れるように
英建築事務所がテントを活用した屋外校舎を考案

世界中の多くの学校が休校に追い込まれたが、イギリスでは6月から小学校が段階的に再開されているそうだ。これを受けて、Curl la Tourelle Head Architectureは、国内外の学校が全面的に再開されるときの課題を想定して、「Pop-Up Schools for Socially Distanced Learning」という研究をまとめた。

生徒と教員が正しくソーシャルディスタンスを取るためのデザイン案で、校舎は風通りのよい屋外に設置されたポップアップやテントのようなものになるそうだ。そのなかでは、各自が2mの距離が保てるように机などを配置し、ニーズに合わせて柔軟に対応できる教室のセットアップが可能になるという。

テントや簡易トイレは、現在中止している野外フェスティバル用のものが活用できるという。必要に応じて、太陽光パネルを使って再生エネルギーを発電したり、太陽光を使ったヒートパイプで暖房を提供することもできる。さらに、校舎の内外は時計回りに移動することで、人と人が接触するのを回避する。

また、サッカー場から歩行者天国、近隣の公園など、敷地はさまざまな屋外空間が利用可能。

そして、このコンセプトでは、奥まった住宅地の街路を最大限に使用したり、ロックダウンが解除されるにつれて安全なコミュニティの統合を促したりと、これまで考えなかったような方法で公共スペースを開放・利用することも提案している。

実際に、ロンドンのタワーハムレッツ地区にある小学校で実験を行ったそうで、テント会社の「Original Marquees」と協力して、仮設校舎を設置。教室や食堂として使いながら、リアルな学校よりも少なくとも25%多くソーシャルディスタンスを確保できたそうだ。End