スイス、19世紀のコンサートホール「Stadtcasino Basel」拡張工事完了
現代技術でネオバロック様式を復元

▲Foyer EG | ©Stadtcasino Basel | Fotografie: roman weyeneth

スイスの建築設計事務所 ヘルツォーク&ド・ムーロンは、同国のバーゼルにあるコンサートホール「Stadtcasino Basel」の拡張工事を完了させた。

建物は19世紀に建てられた古いもので、プロジェクトは2012年に調査を開始し、修復、保存、増築を含めた都市戦略をベースに進められた。その結果、たんなる建築にとどまらず、歴史ある広場「バルフュッサープラッツ(Barfüsserplatz)」の文脈にふさわしい新しい公共スペースができあがった。

▲Foyer EG | ©Stadtcasino Basel | Fotografie: roman weyeneth

プロジェクトの中心となるのは、1876年に完成した「Stehlin Musiksaal」。ヨーロッパでもっとも古くて重要なコンサートホールの1つで、すぐれた音響効果と洗練された音楽体験が味わえる場所として国際的な名声を博している。

▲Foyer EG | ©Stadtcasino Basel | Fotografie: roman weyeneth

▲Foyer EG | ©Stadtcasino Basel | Fotografie: roman weyeneth

もとはパラッツォとして構想された建築だが、1939年にカジノとの分離が行われて、現在は独立した建物となっている。また、これにより、2つの建物のあいだにシュタイネンベルク通りとバルフュッサープラッツを結ぶ道が生まれた。

▲Foyer EG | ©Stadtcasino Basel | Fotografie: roman weyeneth

▲Foyer EG | ©Stadtcasino Basel | Fotografie: roman weyeneth

今回の拡張工事では、ホワイエ、バー、ドレッシングルーム、サービスエリアなどが登場したが、昔からそこにあったかのような古い趣きを作り出している。一見すると伝統的なネオ・バロック様式の建築のようだが、歴史を感じさせるファサードの重厚な石積みは、現代の木造外壁に使われるデジタル技術を駆使してもとのスケールに復元したそうだ。End

▲Foyer EG | ©Stadtcasino Basel | Fotografie: roman weyeneth