NEWS | プロダクト
2020.07.03 17:00
若い人が親元を離れて一人暮らしやルームシェアをしているときに、なにかと面倒なのが食事を作ることだ。家族が増えたり収入が豊かになって、広い家に引っ越すまでには10年ぐらいかかり、それまでは手狭なキッチンで我慢しなければならず、家電製品も買い替えにくい。
アウトドアでバーベキューをするように、自宅でも大勢で料理ができれば友達と仲良くなれるだろうが、調理するテーブルがない、キッチンに人があふれる、調理がうまくいかない、全部できあがった頃には最初に作ったものが冷めてしまうなど、問題は山ほどあるのだ。
そこで、シンガポールのプロダクトデザイナー Julius Pangは、狭いキッチンでも複数の人が同時に調理できるコンセプト調理器具「Split induction」を提案している。
マルチプラットフォームの調理システムで、ひとつのデバイスで複数の調理が可能。560mm x 200mm x 178mmとコンパクトで、従来のコンロの1/3ほどの面積で済むそうだ。内部に収納されているIHヒーターを展開しても、最大で710mmの幅しかとらず、別の人と一緒に余裕をもって調理することができる。
機能としては、まな板や切った食材を入れるトレイ、ゴミ容器、IHヒーター3台を搭載。食材の準備と調理は並んでできるので、お互いに邪魔になることはなく、左右対称のデザインとすることで、右利きでも左利きでも使いやすくなっているという。
このプロトタイプでは、据え付け型のIHヒーターや換気口を取り付ける必要がない。ユーザーは「プラグアンドユース」で料理を簡単・迅速に行うことができ、使わないときは部屋の隅に片付けることも可能。これ1台で、より楽しい料理体験が味わえるだろう。