国立科学博物館、関東地方上空を流れた大火球の隕石を確認
名称を「習志野隕石」として登録申請

▲色見本 国立科学博物館提供

国立科学博物館は、千葉県習志野市に新しい隕石が落下したことを確認した。隕石の落下は2018年の小牧隕石以来2年ぶりで、日本国内で53番目に確認された隕石になるそうだ。

2020年7月2日(木)午前2時32分に、関東地方上空を西から東へ流れる大火球が観測された。7月5日(日)に千葉県立中央博物館が同市のマンションに落下した実物を確認し、依頼を受けた国立科学博物館が調査を実施。

▲最初に発見された破片 国立科学博物館提供

▲2番目に発見された破片 国立科学博物館提供

7月6日(月)より約1週間のガンマ線測定を行い、宇宙線により生成する放射性核種(宇宙線生成核種)のアルミニウム-26(半減期約70万年)、ナトリウム-22(半減期約2.6年)、マンガン-54(半減期約312日)、マンガン-52(半減期約5.5日)などを検出。これにより、最近落下した隕石であることが確認された。

▲習志野隕石(仮称:回収された2つの破片を組み合わせた写真) 国立科学博物館提供

最初に発見された破片は、重さ63g・大きさ45x30x25mm。2番目に発見された破片は、重さ70g・大きさ50x35x20mmで、金属が錆びて茶色くなっているという。2つの破片はきれいに合わさる部分があり、1つの隕石が割れたものと考えられており、外観から普通球粒隕石(コンドライト)の一種とされる。

▲習志野隕石(仮称)のガンマ線スペクトル 国立科学博物館提供

今後、分類を確定し、国際隕石学会に名称を「習志野隕石」として登録申請する予定となっている。End