NASA、24時間・15日間連続であの折り畳む
「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の組み立て検証実験を行う

▲Credits: NASA/MSFC/David Higginbotham

NASAは、開発中の「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の総合システムテストを完了したことを発表した。最終的な組み立てはすでに成功しており、テストチームはこのほど、完全に組み立てた状態での重要なソフトウェアの確認や電気的な解析を行った。

▲Credits:NASA/Chris Gunn

この宇宙望遠鏡は、NASAがこれまでに手がけたもっとも大きくて複雑な技術を駆使したものである。それゆえ、ミッションの成功に向けて、多くのコンポーネントがすべて協調して作動しなければならない。

▲Credits:NASA/Desiree Stover

そこで実施されたこのテストは、チームの最終作業のひとつとして、組み立てた状態で完全なシステム評価を行い、設計通りに作動するかを検証するものとなる。

これまでは、まだ組み立てられていない宇宙船の部品に関するデータをシミュレーションなどで推定してきたが、宇宙望遠鏡が完全に構築されたことにより、今後シミュレーションやシミュレータは不要となり、ソフトウェアや電子機器の性能について信頼のおける評価を得られることになった。

▲Credits:Northrop Grumman

今回のテストにあたって、チームは24時間・15日間連続で観察。約1,070のスクリプトや命令シーケンス、約1,370の手順が実行されたそうで、こうした一連の試験テストをクリアしてはじめて、2021年3月の打ち上げへのゴーサインが出されることになる。

ただ、このテストは電気系統の性能基準を確立したばかりで、今後数か月をかけて最終的な一連の音響および振動テストを行い、打ち上げに関する精密なシミュレーションをしたのちに、チームはもう一度フルシステムのテストを実施する予定だ。

▲Credits:NASA/Chris Gunn

そして、1度目と2度目のテストの結果が「同じ」になれば、宇宙船が完璧な観測施設として予定通りに作動し、打ち上げ環境に耐えることができて、宇宙で設計通りに機能することが確認されることになるそうだ。End