水のなかの汚染粒子をキレイにする
オランダの大学が開発した超小型ロボット

オランダ・アイントホーフェン工科大学の研究チームが、水のなかでワイヤレスで作動する超小型ロボットを開発した。光と磁気に反応して動き、周囲にある汚染粒子を捕まえることができるそうだ。

サンゴのポリプにヒントを得た、応答性ポリマーでできた1×1cmのプラスチック製のミニロボットで、磁気に反応する茎部分が動いて水の流れを作り出し、触手部分が物質をつかんだり離したりするという。

まず、回転式のマグネットをロボットの下に配置。その回転に合わせて茎部分も回転する。これにより、実験では水中に浮遊する油のしずくが触手の方に移動してくるのだ。このとき、触手の開き方が水の流れに影響をもたらすこともわかった。

そして、光をあてるだけで変形するフォトメカニカルポリマー材料を開発。この材料は、光を照射すると活性化し、変形した形状をキープすることができる。これによって、もう一度光をあてて形を変えるまで、捕獲した物質をアームのように保ち続けてくれるのだ。

また、水中で使用される刺激応答性材料にヒドロゲルがあるが、これは環境に敏感なので、汚染された水中ではその動きをコントロールするのは難しいようだ。一方、今回開発したロボットは、周囲の水に影響されることなく作動するとしている。

今後の目標は、複数のロボットが連動して動き、次から次へと粒子を運んでいくことや、ロボットが水のなかを泳いでいくことを挙げている。

くわえて、現在は紫外線でつかみ、ブルーライトでリリースするという仕組みだが、紫外線は細胞に影響をあたえたり、人体をほとんど透過しなかったりするし、ロボット自体も傷つけてしまうそれがあるので、紫外線以外の刺激を使うことも検討しているそうだ。End