社会的距離を保ちながらサルサを踊
ろう。スペイン在住ダンサーが紐を
使ったダンスを考案

当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。

“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。

今日のトピック

スペインに住むペルー人ダンサーであるファン・ディエゴ ・ティンベラさん(Juan Diego Timbera)が、社会的距離を保ちながらサルサを踊るために、紐を使ったダンスを考案しました。

SPREADはこう見る

ティンベラさんは、数年前からマドリードのショッピング街プレシアドス通りで通行人を誘ってサルサを踊る活動を続けていました。しかし、コロナウイルスの流行を受け、今までのように通行人と手を繋いで踊ることができなくなったため、6月から長い紐を使い始めました。

「ダンスひとつで人生は変わる」「ダンスは最高の薬です」というメッセージカードを掲げて通行人をサルサに誘うティンベラさん。コロナウイルスが理由で人々と一緒に踊ることを諦めたくなかったのでしょう。互いの手に紐を握り合ってサルサを踊る姿は、新しいスタイルのダンスが生まれたかのようです。陽気なリズムに乗っている人々の姿は本当に楽しそうで、見ていて元気をもらえます。

紐を使ったサルサの動画が投稿される一カ月前、ティンベラさんのインスタグラムには自身がビデオ通話をしながらサルサを踊る動画が投稿されました。当時のスペインは非常事態宣言が解除される前で、外出が難しい状況だったはずです。そんな中でも誰かとダンスを楽しみたいという思いが伝わってきます。これほどまでにサルサを愛するティンベラさんでなければ紐を使ったダンスを実行できなかったでしょう。

ティンベラさんにとってのダンスのように人生を豊かにしてくれるものが生活には必要です。世の中にもっとダンスを!End

▲本プロジェクトをレーダーチャードで示しました。6つの属性のうち、成果物のデザイン性を「Creativity」で評価しています。「Pure & Bold」は目的に対して一途な強さを感じるか、やりきっているかという、SPREADが自らの仕事において大切にしている視点です。