歌って踊ってコロナをやっつけろ。
Masaka Kids Africanaの子供たちに
よる動画「Let's Fight COVID-19」

当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。

“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。

今日のトピック

ウガンダの都市、マサカを拠点とする孤児の保護団体、Masaka Kids Africanaが、コロナウイルスの危険性や対策方法を歌とダンスで伝える動画を制作し公式YouTubeで公開しています。タイトルは「Masaka Kids Africana Dancing Let’s Fight COVID-19 ( Corona Virus )」。ウガンダには240万人以上の孤児がおり、Masaka Kids Africanaの子供たちの多くは戦争や飢饉、病気により親を失っています。

SPREADはこう見る

リズミカルな音楽と明るい子供たちの声、そしてなにより踊りがとても上手。見ていてポジティブな気持ちになります。歌って踊れてさすがアフリカ!というだけでなく、この団体はもともと子供たちの教育に歌とダンスを取り入れており、2018年5月からYouTubeで動画を公開し続けているため納得のクオリティです。しかも動画中で歌っている「Let’s Fight COVID-19」は、過去の楽曲とともにiTunesやSpotifyで配信中で、それらの収益は同団体の運営費に充てられています。逞しい!

ダンスには、くしゃみや咳をする時は腕で口を覆う、家の中で過ごす、手を洗う、マスクをつけるなどの振付がされています。東京とウガンダでは環境がだいぶ異なりますが、感染対策で行うべきことは同じ。コロナウィルスが世界共通の脅威であることを改めて思い知らされます。映像を見ると、それほど人が多くなく風通しも良さそう。感染リスクは低いように思いますが、ひとたび感染が広がってしまうと医療体制が追いつかないことも同時に想像でき恐ろしさを感じます。

それでも恐れてばかりではいられません。コロナ禍でも歌とダンスを楽しむ子供たちを見て、彼らに負けずに元気を与えられるデザインをしていきたい!と背筋が伸びる思いです。End

Masaka Kids Africana
東アフリカに位置するウガンダの都市マサカを拠点とする、孤児を保護、教育する団体。子供たちに安全な避難場所と食事や衣服、教育、医療を提供。子供たちの歌とダンスによるクオリティの高いパフォーマンスで知られる。2013年3月30日設立。

▲本プロジェクトをレーダーチャードで示しました。6つの属性のうち、成果物のデザイン性を「Creativity」で評価しています。「Pure & Bold」は目的に対して一途な強さを感じるか、やりきっているかという、SPREADが自らの仕事において大切にしている視点です。