コペンハーゲンのデザインスタジオ OEO Studioがインテリアデザインを担当
京都・西陣織の老舗「細尾」の旗艦店「HOSOO FLAGSHIP STORE」

京都・烏丸御池にて2019年にオープンした「HOSOO FLAGSHIP STORE」は、1688年創業の西陣織の老舗「細尾」のテキスタイルブランド「HOSOO」の旗艦店である。

この地にはもともと細尾の本社があり、旗艦店オープンにあたって5階建ての建物を改装し、1階部分を275m2の「HOSOO FLAGSHIP STORE」とした。

今回の改装において、細尾の12代目・細尾真孝およびHOSOO architectureを率いる建築設計担当者の細尾直久の両氏とコラボレーションしたのは、コペンハーゲンのデザインスタジオ OEO Studio

同スタジオはプロジェクトの初期段階から参加し、空間プランニング、インテリア要素のカスタムデザインなど、旗艦店のインテリアデザインを担当した。

インテリアとエクステリアは、伝統的な工芸技術を広く活用。内壁は伝統的な漆喰とし、4色の土壁のほか、黒の漆喰には金箔を施している。

一方、建物最上階の外壁は、HOSOOが東雄技研と共同開発した「西陣織FRPガラス(NISHIJIN Reflected)」を採用。OEO Studioがデザインした「苔」のパターンのテキスタイルを内包した西陣織外壁材は、夜になると人をひきつける繊細な輝きを放つという。

店内は、HOSOOのテキスタイルの質の高さと美しさを際立たせる、ミニマルで特別な空間に仕上げた。ラウンジエリアと店舗エリアを中央の階段で区分し、テキスタイルコレクションは禅庭のような小さな中庭に面した、セミプライベートの会議室で見ることができる。

テキスタイルは土壁を背景にゆったりと吊り下げて美しく展示しており、オーダーメイドのディスプレイにはラグジュアリーなアイテムを陳列した。

また、店内家具として、OEO Studioがデザインしたオーダーメイドのコレクションを配置。そのシンプルなデザインは、張地に使用される西陣織と大胆なコントラストをなしている。

家具のデザインは、HOOSOOのテキスタイルとのバランスを考え、トータルな雰囲気を与えるように完璧に仕上げた。

淡い色合いや黒く染めたアッシュ材を使ったコレクションには、ロングチェア、ラウンジチェア、3人掛けソファに加え、「NISHIJIN reflected」のテーブルトップを施した2サイズのコーヒーテーブルがあり、日本国内においてオーダーメイドで作られている。End