スペインの香水ブランド「Carner Barcelona Perfumery」の新本社
ブランドの価値や哲学を表す空間デザイン

▲ Photo:© Adrià Goula

スペイン・バルセロナにJofre Roca Arquitectesが設計した、香水ブランド「Carner Barcelona Perfumery」の新しい本社が完成した。街の中心、アシャンプラ地区のグラシア通りという商業エリアにある、歴史あるカタルーニャの建築要素を残す建物に位置している。

デザインされた空間がもたらす落ち着きと誠実さから、ブランドの価値や哲学が浮かび上がるように設計。地中海や地元の工芸品を配置することで、文脈のなかに収まるようにした。統一感のある白色も同じ文脈から採用し、プロダクトを際立たせている。

▲ Photo:© Adrià Goula

室内はショールームと店舗エリアにオフィスエリアが隣接する設計で、空間を遮るものはない。また、透明の仕切りを設けるなど、必要なプライバシーを確保しながら、見た目と素材に連続性をもたせたという。

組み合わせの調和を考えて、地元産の複数の素材を採用。これらの手触り感や自然光との作用といった特性を考慮にいれることで、プロジェクトに一貫性が生まれた。

▲ Photo:© Adrià Goula

▲ Photo:© Adrià Goula

サスティナブルな森林から採取した木材を家具やフローリングに使うことで環境負荷を抑え、湿度を調整する石灰や通気性のあるミネラルペイントによって健康的で快適な空間を提供。壁をなくすことで、裏庭から表通りへの自然な換気を行うこともできる。

▲ Photo:© Adrià Goula

また、レンガや石壁、レンガを使ったヴォールト屋根はすべて、白石灰でコーティングを施しているが、サビや傷、痕跡といったものは残されており、そこからこの場所の歴史を読み取れるそうだ。

▲ Photo:© Adrià Goula

▲ Photo:© Adrià Goula

一方、ショールームについては、家具は展示用にも保管用にも使えるように設計。照明は、パッケージ/企業イメージ、フラスコの展示、周囲の空間演出という3つの機能を担うように、細やかに配置した。さらに、磁器製の容器は陳列棚に組み込んだスロットにしまいこんだ。室内照明は低消費・高効率のLEDシステムを使い、そこに存在しないかのように設計して、ショールームの中心であるプロダクトの展示にふさわしい場所とした。End

▲ © Jofre Roca Arquitectes

▲ © Jofre Roca Arquitectes

▲ © Jofre Roca Arquitectes

▲ © Jofre Roca Arquitectes