木材活用の促進を目的に
徳島県の県庁オフィスに木質ユニット「つな木」を導入

▲ 6月28日撮影個人席。前面に飛散防止のアクリルパネル

日建設計は2020年6月28日、同社が開発した誰でも簡単に組み立てることができる木質ユニット「つな木」を全国で初めて徳島県庁オフィス内に本格設置し、木質ワークプレイスの試行を開始した。

▲ 完成したつな木のワークプレイス(2020年6月28日撮影)

この取り組みは、徳島県庁と共同でオフィスへの木材導入を検討・実施するもの。「つな木」は小径の材木でできた木質ユニットで、日建設計の木質・木造の開発研究を行うチーム「Nikken Wood Lab」が、日本の森林保全に欠かせない木材活用の促進を目的に開発した。

同ユニットは、角の無垢材とクランプと呼ばれる接合部材、移動用の車輪で構成された基本ユニットにより、30分程度で簡単に組み立て・解体ができ、移設することもできる。さらに、同じ部材を使って、デスク、棚、ベンチやプランタなど、変幻自在に形を変えて、さまざまな用途で活用が可能だ。

設置されたのは徳島県庁スマート林業課プロジェクト推進室で、個人席11台、会議席(4人席)1台、棚2台の計14台を、県庁職員と徳島県木材協同組合連合会の手で組み立て、設置した。作業時間は6月中に累計3日ほどで、県産材である徳島スギの60mm角材を約210m、および100mm角材を約50m、合計約2㎥使用している。

▲ 個人席提案時のパース

設置後は、デザインや汎用性、利便性など、今後のオフィスでの「つな木」活用に向けて使用者の意見を収集しており、県庁内他部署でも使用を希望する声が上がっているという。

▲ オフィスユースの展開パターン例

また、設置フロアの半分は従来の非木質空間とし、日建設計は徳島県庁の協力のもと、木質空間と非木質空間それぞれの空間のメリット・デメリットを検証。物理的・精神的な影響などを探る実証実験も検討しているそうだ。End