アブダビのアルワスバ湿地保護区に
新しいビジターセンターの設計案が公開

UAE・アブダビの南東に位置するアルワスバ湿地保護区は、1998年に保護区に指定され、5km²の広さにおよそ260種の野鳥のほか、エビ、サソリ、トカゲなどの野生生物が生息している。さらに、毎年秋から春にかけては4,000羽のフラミンゴが飛来し、そこで数か月にわたり涼しい冬を過ごすそうだ。

この保護区を監督するアブダビ環境庁(EAD)はこのほど、フラミンゴ展望台の設計コンペに続き、「Abu Dhabi Flamingo Visitor Center」の設計コンペを開催した。

アルワトバのユニークな自然環境とのバランスを考え、なおかつインフォメーションセンター、カフェ、テラス、スーベニアショップ、標本展示エリア、トレーニングセンター、トイレ、駐車場などの施設が含まれる、新しいビジターセンターの設計案が求められ、チェコのPetr Janda、Anna Podroužková、Kateřina Tšponováによる「To See And Not To Be Seen」が勝利を収めた。

設計案は、外観と保護区の環境を有機的に結び付けるもので、一見古めかしそうにも見えるがモダンで未来的なデザインを目指したという。既存の堆積地に沈み込むようなデザインで、保護区内に建物が突き出すボリュームを低減し、自然と溶け合うようにしている。

建物の形状は「O」字形と「S」字形を組み合わせたもので、訪れた人の進路を自然に導きながら保護区のハイライトへと誘ってくれる。ダイナミックなカーブを描く連続的な空間は、空間を分割しないことで、バリアフリーでの移動を可能にし、人々の視線の移り変わりにも対応できるという。

アラブの砂漠にある岩の層のような外観だが、俯瞰してみれば眠っているフラミンゴにも見える。鳥類学者の協力のもと、鳥が建物の外観や環境の変化に驚かないことを考え、なおかつアイコニックなデザインを考えたそうだ。End