建築スタジオ Wutopia Labが手がけた
夢にインスパイアされたエリア「White Upland」

▲ Photo:CreatAR Images

中国では、「モダンな都市」はどこも新しく見えるのだが、これといった特徴もなく、歴史や中心となる場所、都市計画もないという。人はみなさまざまな生活をしているのに、「新古典主義」風や「新しいアールデコ」風のファサードをした似たり寄ったりの家に住んでおり、派手ではあるが「個性のない都市」のマスクに覆われているのだそうだ。

そんななか、建築スタジオ Wutopia Labは、中国浙江省湖州市にある販売センターの前にウェルカムエリア「White Upland」をデザインした。

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このプロジェクトにおいて、Wutopia Labを率いるYu Tingは、建築や庭園、インテリア、照明、アートインスタレーション、さらには記憶や感情といった私たちの生活なかにあるもっともパーソナルな部分を組み合わせた新しい空間作りを目指したという。

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そして、近隣の人だけでなく湖州市の人々も楽しめる、超現実的な庭園である公共施設を作り上げた。それは「個性のない都市」のアンチテーゼを提示するという、彼のマニフェストとなるものである。

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また、庭園がこのプロジェクトで使われたプレハブ技術を紹介するものとなるように、一般的な材料である鋼材を採用。高さ6mの鉄骨柱を529本も使用して「White Upland」の境界を作り出し、販売センターのファサードをデザインした。

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このエリアのストーリーは、Yu Tingの娘の夢にインスパイアされたものだそうで、森は彼女の夢に頻繁に出てくるもののひとつだという。その空想的な森を作るために、3つのサイズからなる108本の白い鉄骨柱を使用。訪れた人の経路にしたがって、洞窟や丘、小川、岩、高地、滝、森のなかの劇場など、さまざまな風景を創出した。

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さらに、マグリットの絵画を参照しながら風景を空想化。星空や曇り空、日の出、霧、自然の音と匂い、焚き火など、さまざまな天候を作り出し、こうしたものが真っ白になるとすべてが超現実になるのだそうだ。End

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