川島織物セルコンは、北欧家具メーカー フリッツ・ハンセン（FRITZ HANSEN）の代表作「エッグチェア」に、気鋭のデザイナーによるファブリックを張り込むプロジェクト「織物屋の試み展 其の二 ―ファッションデザイナー編―」を開催する。

2回目の開催となる今回は、織物に造詣の深いファッションデザイナー 三原康裕（Maison MIHARA YASUHIRO）、ユースカルチャーをクチュールの世界に取り入れたクリステル・コーシェ（KOCHÉ）、モダンで温かみがあるデザインを生みだすと評されるロク・ファン（rokh）の三氏にデザインを依頼。新しい織物の可能性を追求した、織物の未来を予見するファブリックを制作した。

▲ 三原康裕

▲ 三原康裕／Maison MIHARA YASUHIRO「時の堆積」紋ビロード・引箔

三原康裕は「時の堆積」というコンセプトのもと、「時を織り込む」という詩的で壮大なチャレンジに取り組み、同社のアーカイブから選びだした柄を、紋ビロード・引箔の技術で表現。箔には漆を使い、塗っては剥がし、塗っては剥がし、という工程を繰り返し、美しいファブリックがあたかも朽ち果てたような、自然な経年変化が感じられるように仕上げた。

一方、クリステル・コーシェのコンセプトは「Paris Meets Kyoto」。ジャージ素材をパッチワークのように嵌め合わせ、2つの異なる世界のものを繋ぎ合わせることによって新しいクリエーションを生み出していく、という自身のキャリアを象徴する手法を採用している。

▲ クリステル・コーシェ

▲ クリステル・コーシェ／KOCHÉ「Paris Meets Kyoto」引箔

また、ロク・ファンは「自然と本能 〜森を織る〜」というコンセプトで、有機的な自然の世界そのものをファブリックで表現するために、カーテン生地の生産時に生じる端材などをはじめ、これまで使わなかった素材も選りすぐって使用したそうだ。

▲ ロク・ファン

▲ ロク・ファン／rokh「自然と本能 ～森を織る～」綴織

これらのコラボレーションチェアの展示会は、2020年11月18日（水）から11月29日（日）まで、東京・青山のフリッツ・ハンセン青山本店にて開催。また、期間中にオンラインイベントも行われる。