竹中工務店とメルセデス・ベンツが手がける
近未来のライフスタイルを具現化した建築「EQ House」

竹中工務店メルセデス・ベンツが手がける東京・六本木のショールーム「EQ House」は、人と建築・モビリティとリビングをつなぐ、未来のライフスタイルを具現化した建築である。

このショールームで竹中工務店が提案するのは、AIを搭載した近未来の建築。そこで人と家を繋ぐのは、室内の温度や明るさなどの情報が浮かびあがる、建物中央に設置されたガラスインターフェースだ。さらに、IoT技術で家とモノが繋がり、室内やエネルギーの状況を見守りつつ人に最適なサービスを提供するという。

こうした一連のサイクルは、同社が開発する高度な情報技術を駆使したビルコミュニケーションシステム(ビルコミ)により実現。

今回は「ビルコミ」に新たにAIを搭載することで、照明や空調などの室内環境を整える設備システムが人とのコミュニケーションを通じて個々の好みや快適性を学び、カスタマイズするなど、「EQ House」が学び、成長するとしている。

▲ 日射を制御する調光フィルム

▲ 調光フィルムON/OFFの様子

▲ 365日の日照パターンすべてを条件とした環境シミュレーション

さらに、窓には日射を制御する調光フィルムを採用。特徴的な外装から木漏れ日のように差し込む光を調光フィルムでコントロール、透明度を変えながら最適な省エネ制御を行うほか、AIが学習した内容をプログラミングし、制御に反映することも可能だ。

▲ 外装パネルのコンピュテーショナル・デザイン

このようなEQ Houseを実現するのは、1200枚に及ぶ外装パネル。その印象的なシルエットは、プログラムによって形態を生成するコンピュテーショナル・デザインが生み出しており、1年365日の日照パターンすべてを条件としたシミュレーション結果にもとづいて最適な形状と配置を決定することができる。

▲ パネルのデジタル情報を活用した工場でのレーザーカッター加工

また、設計段階のデジタルデータにより、工場ではレーザーカッターが自動的にさまざまな形状のパネルを切り出すなど、施工の効率化を実現。各パネルは個別のIDで管理され、現地での組立てや検査では、スマートグラスなどのウェアラブルデバイスが作業を支援するそうだ。End

▲ スマートグラスを通した設置場所情報の提供