長野県信濃美術館が「長野県立美術館」としてリニューアル
中谷芙二子の「霧の彫刻」がシンボル的作品に

改築工事のため2017年10月より休館している長野県長野市の長野県信濃美術館は、2021年4月10日(土)に名前も一新し、「長野県立美術館」として開館することを発表した。

新しい長野県立美術館は、隣接する善光寺から城山公園まで、なだらかにつながる地形の上に開館。信州の山々を見渡せる景観に溶け込んだ建物が特徴で、大自然に恵まれた長野県唯一の県立美術館として、自然的・歴史的景観と調和した「ランドスケープ・ミュージアム」を舞台に、「人と自然」を基本テーマに収集・展示を行うという。

館内は自由に入れる無料ゾーンも充実。誰もが気軽に訪れることができる、公園のように「開かれた美術館」を目指している。スペースは、地下1階から地上3階まで延べ1万平米に拡充し、今までなかった常設展示室を開設、国宝・重要文化財や全国規模の巡回展を開催する予定だ。

▲2F レストラン・カフェ(イメージ) ©プランツアソシエイツ

▲1F アート・ライブラリー(イメージ) ©プランツアソシエイツ

美術館コンセプトの象徴的な作品としては、アーティスト・中谷芙二子に「霧の彫刻」の制作を委託。新美術館と東山魁夷館の間の水盤周辺に設置し、自然現象を再現するかのような霧を使った作品を楽しむことができる。

▲中谷芙二子氏「霧の彫刻」パリ/ラ・デファンス地区(2019年)

▲中谷芙二子氏「霧の彫刻」国営昭和記念公園(1992年)

また、美術による学びを応援する取り組みとして、子ども向けワークショップや対話型鑑賞を定期的に開催。学校団体向けのプログラム「スクールプログラム」を整備し、美術館での豊かな体験や学びをサポートする。

▲【ランドスケープ・ミュージアム~開かれた美術館として~】 建築家 宮崎浩

新設されるアート・ライブラリーでは、同館開催の展覧会カタログをはじめ、開催中の展覧会関連図書や他機関開催の展覧会カタログ、近代美術を軸にした入門図書から専門書、全集、美術雑誌などが閲覧できる。End