DFAアジアデザインアワード 2020の受賞者が発表
デザイナーのスタンリー・ウォンや
DJI創業者のフランク・ワンらの功績を称える

香港の行政機関 クリエイトホンコン(創意香港・Create Hong Kong)が創設し、香港デザインセンター(HKDC)が主催する「DFAアジアデザインアワード 2020」は、受賞者をこのほど発表した。

DFAアジアデザインアワードは、アジアにおいてリーダーシップを発揮するデザイナーや、アジア発の優れたデザインやプロジェクトを顕彰するアワードである。2005年からは香港の新進気鋭のデザイナーを表彰するなど、アジアを代表するデザインアワードとして知られている。

▲ DFA ライフタイム・アチーブメント賞:ティム・ブラウン

今回は、3名のデザイン・トレンドセッターが「DFA ライフタイム・アチーブメント賞(Lifetime Achievement Award/LAA)」、「DFA デザイン・リーダーシップ賞(Design Leadership Award/DLA)」、「DFA ワールドアウトスタンディング・チャイニーズデザイナー(World’s Outstanding Chinese Designer/WOCD)」をそれぞれ受賞。

さらに、「DFA アジアデザイン賞(Design for Asia Awards)」には197点のプロジェクトが、「DFA 香港ヤングデザインタレント賞(Hong Kong Young Design Talent Award)」には香港の16名の若手デザイナーが選ばれた。

▲ DFA デザイン・リーダーシップ賞:フランク・ワン

受賞者のなかでも注目を集めているのが、世界的なビジネスリーダーを表彰するDFA DLAに選ばれたフランク・ワン(Frank Wang)と、世界で評価された中国人デザイナーを称えるDFA WOCDのスタンリー・ウォン(Stanley Wong)である。

フランク・ワンは、中国・深圳に本社を置く世界最大手のドローンメーカー「DJI」のファウンダーで、現在はCEO。徹底した研究開発やイノベーション、そして飽くなき探求心により、同社をユニコーン企業にまで成長させている。

また、ドローンだけでなく、ジンバルやスタビライザー、カメラ、飛行プラットフォーム、推進システム、飛行制御システムなども設計・開発。同アワードでは、DJIにおいて強力なリーダーシップを発揮するとともに、複雑なテクノロジーを誰でも使いやすいデバイスへと変えるなど、ビジネスに卓越したデザイン性を持ち込むことに成功したと評価された。

▲ DFA ワールドアウトスタンディング・チャイニーズデザイナー:スタンリー・ウォン

一方、スタンリー・ウォンは、「anothermountainman(又一山人)」名義で活動する現代アーティストであり、デザインオフィス「84000 Communications」のクリエイティブディレクターも務める、香港のグラフィックデザイナー。香港文化をベースとする優れたコミュニケーションデザインを数多く生み出してきた。

さらに、2004年からは国際グラフィック連盟(AGI)に加盟。2005年の第51回ヴェネツィアビエンナーレでは香港を代表するデザイナーとして、「redwhiteblue」シリーズで世界の注目を集めた。また、2000年からはクリエイティブな教育にも積極的に参加し、講演やワークショップを世界各地で行っている。

ウォンは、グラフィックデザインや広告デザイン、写真作品など、その多彩な芸術的手腕をさまざまな分野で発揮しているが、ビジネスと社会のあいだを取り持つなど、作品のなかに大切な意義を見出そうとする姿勢は若いデザイナーの尊敬を集めている。End